通信販売でおせちを購入する方も多いと思いますが、注意してほしいのが様々なトラブルです。
おせちに関して過去に起きた事件をご紹介します。
2010年「グルーポン・おせちスカスカ事件」
最も有名なおせちのトラブルの1つが、2010年に発生した「グルーポン・おせちスカスカ事件」です。
共同購入型クーポンサイト「グルーポン」で販売されたおせち料理が、サイトに掲載されていた見本写真とあまりに違うという内容で、当時の購入者がネット上に実物写真をアップしたことで大騒動となりました。
上記写真も、食べかけのおせちではなく、届いて開けたらこの状態だったそうです。
おせちを製造・販売した横浜のレストラン「バードカフェ」は、謝罪、返金をしましたが事態は沈静化しなかったようです。
このトラブルのあったおせちは、「通常価格(税込)2万1000円 割引率50%オフ、割引額1万500円」として販売されましたが、実際のおせちの内容について、公的機関の調査などがあり、元々の通常価格は架空のものであることが判明しています。
また、食材のうち「才巻き海老」や「キャビア」「ニシン」などは別の食材が用いられており、例えば原産地が違う、料理そのものが入っていないものもあったようです。
このような食材の偽装や、「通常価格」という架空の価格を設定にして比較して安く見せるという二重価格表示の実態は、「グルーポン」という共同購入型クーポンサービスのの信頼までもを大きく損なうことになったようです。
》参考:現代ビジネス|「スカスカおせち騒動」から9年…グルーポン失敗の教訓とは何か
(実際の写真、真偽は要確認:https://www.e-magicus.com/8/)
2012年「ジー・ネットワークスおせち遅延事件」
2012年、飲食店の運営事業などを行うジー・ネットワークスでネット販売していた役27000件のうち、約3000件のおせちが年内に届かなかったトラブルがありました。
ジー・ネットワークスでは1月1日にほとんどの配達を完了したとしているが、対象顧客には全額返金し謝罪したということです。
通販新聞によると、2011年から2012年にかけてのおせち商戦は、東日本震災を背景に、家族との絆を見直す機運が盛り上がり、おせちの通販の流通量は各社で前年比を上回っていたそうですが、2010年のグルーポンの事件の直後だったことから、このトラブルが通販おせち業界全体へ影響しないかが懸念されていたようです。
その心配をよそに、通販おせちは年々盛り上がりを見せ、2020年にはYahoo!ショッピングだけでも30億円市場にまで成長、国内全体では600億円規模の市場と言われるまでに成長しています。
》参考:通販新聞|今年もおせちでトラブル、難しさ認識も作業にミス
2017年「匠本舗・生おせち遅延・不着事件」
2017年年末から2018年お正月にかけて発生したのが、匠本舗の「生おせち」の不着や遅延のトラブルです。
年末年始は荷物が増える時期でもあり、なかなか細かい時間指定が難しいところですが、匠本舗の場合「生おせち」だったところが大きな問題でした。
例えば、年内に届く予定が、届かずに元旦の昼に食べるものが無い。または、元旦の夜に届いてしまい、夜に届いたにもかかわらず、当日中に食べなくてはならない状態であったなどのトラブルです。
こうした「生おせち」は、通常のおせちよりも食材が新鮮な分、日持ちしないというデメリットがあるので、慎重に選ぶのが良さそうです。
匠本舗に関しては、2018年以降は大きなトラブルも無く、人気店として今年も様々なおせちを取り扱っています。
一度トラブルが起きたことで、よりチェック体制が厳しくなっているという見方もできます。
》参考:匠本舗
2018年「博多久松・冷凍品のおせちを冷蔵配送事件」
2018年に発生したのが、おせちでは定番人気のある「博多久松」の冷凍品のおせちについて、ヤマト運輸が配送時に冷凍便でお届けするところ、冷蔵のままで運んでしまったという事件です。
このため、北海道発送分の1268セットがダメになってしまったとのことでした。博多久松は返金などに応じたそうです。
トラブルはあったものの、当時の対応に問題がなかったということもあり、博多久松は2023年現在でも変わらずおせち通販の老舗として営業を続けています。
博多久松は、2004年から「冷凍盛付け済おせち」を「楽天市場」に出店してきました。初年度の2004年には90個が翌2005年には2,500個、2006年9,500個、2012年65,000個、2017年15万個と売上を伸ばしてきており、2018年からは15万個の販売体制で臨んでいました。
トラブルがあった翌年の2019年にも15万個を売り切ったということで、その勢いは止まらないようです。
》参考
・博多久松
・冷凍食品エフエフプレス「シーズルーおせち?!、ワンプレートおせち!! 「楽天市場」おせちトレンド発表会」
・gooニュース|役員・社員数25人で「おせち15万個」を完売させる博多久松の凄さ
2020年「筑西市ふるさと納税おせち不着事件」
2020年、茨城県筑西市が「ふるさと納税」の返礼品としていた「おせち」について、発送を予定していた2000個超のうち358個の生産が間に合わず、発送を取りやめたというトラブルがありました。寄付額に換算すると、約2000万円相当だったようです。筑西市は、寄付者の意向を聞き、寄付額を返金するか別の返礼品を送るかなどを検討、対応したとのことです。
筑西市の企画課の発表によると、発送できなかったのは寄付額9万円の返礼品のおせちと、寄付額5万円の返礼品のおせちの一部でした。
到着予定日になっても返礼品のおせちが届かないという問い合わせが市にあったことで発覚し、製造元の筑西市の「小野瀬水産」に確認したところ、生産が遅れていることが判明しました。その後1月1日の午前3時ごろに同社から「これ以上の生産・発注の対応ができない」と申し出があったようです。
この小野瀬水産は、直後の1月7日に破産手続きの開始が決定されています。他の事業についての動向は分かりませんが、おせちの製造事業が破産の決定打となってしまったようです。
》参考
・朝日新聞デジタル|ふるさと納税の返礼品おせち、発送できず 茨城・筑西
・産経ニュース|返礼品おせち製造元が破産 茨城
まとめ
このページでは、過去に起きた通販おせちのトラブル、事件についてまとめました。通販での購入が一般的になった「おせち」ですが、過去には届かない、内容が異なるなどの様々なトラブルが発生しています。
もちろん、約束通りに、広告通りに販売している業者が大半ですが、このようなトラブルが起きていることも事実のようです。
おせちを選ぶときにはこのようなトラブルもふまえて、気をつけて注文することが大切ですし、また、年末年始の配送はとても混雑しますので、届かないこともあるかもしれないということを想定した上で、お正月の準備をしておくと、気持ちも楽かもしれません。
もちろん、代金を支払ったのに、届かないという場合には、お店に問い合わせて相応の対応をしてもらえるよう、アフターサービスがきちんとしている業者に注文しておくのが安心かと思います。
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