2024年8月に、「しゅふJOB総研」より、「家計のゆとり」についてのアンケート結果が発表されたのでご紹介します。
「家計のゆとり」に関するアンケート調査結果
家計にゆとりがありますか?
「ゆとりがある」という回答に対して「ゆとりがない」という回答は2倍以上集まっていますね。
買い物へ行くと、以前に比べてどの商品も値上がりしているように感じますよね。
家計のゆとり:2024年と2021年との比較
家計の支出で負担に感じているものは?
家計の支出で一番負担に感じているものは「食費」という結果でした。
食費は毎日必ず必要な支出のため、負担感が大きくなるのかもしれないですね。
家計支出の負担:ランキング 2024/2024年と2021年との比較
負担さえ考えなければ“もっと購入・利用”したいものは?
負担さえ少なくなれば、家族での思い出づくりや経験を大切にしたいと思っている方が多いようです。
もっと購入・利用したいもの:ランキング 2024/2024年と2021年との比較
フリーコメントの紹介
◇フリーコメントより抜粋(年代:就業形態)
・育ち盛りの子の食費がかかるので補助がほしい(40代:SOHO/在宅ワーク)
・各家庭によってゆとりとはどこまでか違うと思いますが、うちは全くゆとりがない状態です。先々不安しかありません(40代:パート/アルバイト)
・カツカツの生活はもう限界です(50代:派遣社員)
・働いても毎月、赤字。補填のしようがない(40代:パート/アルバイト)
・もっと細かく管理すべきところが甘いのではないかと反省しています(60代:フリー/自営業)
・毎日の献立が大変なのに値段まで切りつめないといけないのはつらいのでゆとりが欲しい(40代:パート/アルバイト)
・税金や社会保険の負担が重すぎる(40代:契約社員)
・何もかもが値上がりしてきてキツイです(60代:パート/アルバイト)
・家計にゆとりがあれば、もう少し子供の習い事や普段経験できない事(旅行等)をさせてあげたいなと思い、罪悪感を感じます(40代:正社員)
・扶養対象の上限額が時代にそぐわない(30代:SOHO/在宅ワーク)
・マイホーム、マイカー、子ども。一世代前の当たり前という価値観が重荷でしんどい。マイホームを諦める、いや後回しにすることでささやかなゆとりがある程度(40代:パート/アルバイト)
・好きな事や習い事が出来て、ご近所や友達とも月に数回気軽に会えて楽しみたい。旅行も毎月行きたい。これが私のゆとりです(50代:フリー/自営業)
・大学進学を控えた子供か2人いて、塾や学費の負担が悩みの種です。奨学金も支給対象にならず、返済義務の有るタイプしか該当せず、子供の将来を考えると親が支払うべきと考えます。自分の老後の準備もしなくてはならず不安しかない(50代:パート/アルバイト)
・親の介護は子育ての費用よりもかかり、それがダブルブッキングするとか本当に信じられません。自分達の老後どころじゃない!(40代:今は働いていない)
・賃金は上昇したが、それでも物価の上昇に追いついている感覚が無い。生活はまだまだ苦しい(30代:パート/アルバイト)
・世間では給料が上がったなどの報道をよく耳にするけど、自身の家庭には特にその効果は全く無く上がっているとは思えない(40代:今は働いていない)
・子どもがやりたいといったものを本当は全てやらせてあげたい(40代:パート/アルバイト)
しゅふJOB総研 研究顧問 川上敬太郎氏のコメント
毎月勤労統計調査の6月速報値によると、実質賃金が27ヶ月ぶりに上昇へ転じました。では、家計のゆとりについて現状はどうなのか。就労志向でお子さんがいる女性に「今あなたのご家庭は、家計にゆとりがありますか?」と尋ねたところ、「ある」と回答した人が27.5%だったのに対し、「ない」と回答した人は65.9%におよびました。ゆとりがないと感じている人の方が倍以上多くなっています。また、2021年の調査(※)と比較すると「ゆとりがない」と回答した人の比率は1.6ポイント増えていました。
さらに、「家計の支出で負担に感じているものがあればお教えください」と質問したところ、トップ3は「食費(米・野菜など)」「水道・光熱費」「家賃・住宅ローン」の順になりました。生活に欠かせないものが上位に来ています。また「食費」と「水道・光熱費」は2021年調査より順位を上げており、物価高の影響が生活インフラ費用にもおよんでいることが家計のゆとりの圧迫感を高めている様子が伺えます。「家計への負担さえ考えなければ“もっと購入したい”または“利用したい”と考えるものがあればお教えください」との質問に対しては、トップ3が「旅行」「外食費」「趣味・習い事」の順になりました。これらに使いたいお金を生活に不可欠なものに回している様子が伺えます。フリーコメントには、切実な声が多数寄せられました。中には賃金が上がっていないという声もありますし、家計の負担感は個々のご家庭の事情により変わってきます。実質賃金が上昇に転じた効果が広がっていくことを期待する一方で、その恩恵を感じられる人と感じられない人とが二分されていく可能性がある点にも注意を向けておく必要があるのではないでしょうか。
※働くママに聞く“家計と消費”の現状
https://www.bstylegroup.co.jp/news/shufu-job/news-26393/
川上敬太郎氏 プロフィール
1973年、三重県津市生まれ。愛知大学文学部を卒業後、大手人材サービス企業で管理職を務め、業界専門誌『月刊人材ビジネス』の営業推進部部長兼編集委員を経て、2010年に株式会社ビースタイル(当時)に入社。翌年、調査機関『しゅふJOB総合研究所』を立ち上げ、所長に就任。これまでに、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層を中心に、延べ約50,000人の声を調査・分析し、300本以上のレポートを配信してきました。2021年に独立し、現職の他、ワークスタイル研究家として解説記事の執筆や講演、広報ブランディング活動のアドバイザリーなどに携わっています。
実務経験分野としては、人材派遣・紹介・アウトソーシングなどの人材サービス事業に20年以上従事し、役員・管理職として営業や新規事業の立ち上げ、広報ブランディング、経営企画、人事など、事業現場の最前線から管理部門まで幅広く担当。人材マネジメントから法規制まで、雇用労働分野の幅広いテーマについて、多数のメディア出演を通じて意見提言を行っています。男女の双子を含む4児の父であり、兼業主夫でもあります。
委員等
厚生労働省 委託事業検討会委員
民間人材サービス活用検討事業「民間人材サービス事業者のノウハウを活用した女性の復職促進検討会」(平成29~30年度)
労働者等のキャリア形成・生産性向上に資する教育訓練開発プロジェクト事業「プログラム検討委員会」(平成29~31年度)
日本人材派遣協会 派遣事業運営支援部会員(平成20~21年、24年)、内閣府 規制改革会議雇用WG勉強会(平成26年)など
メディア出演
NHK『あさイチ』解説、テレビ朝日『ビートたけしのTVタックル』パネラー、フジテレビ『みんなのニュース:ふかぼり』解説などのテレビ出演の他、ラジオ・新聞・雑誌・ビジネス系ウェブメディアなどでコメント多数
執筆・その他
ITメディア連載『働き方の見取り図』/JCAST会社ウォッチ連載『ここがヘンだよ会社の常識 ~兼業主夫のひとりごと』他、JBpress、日本経済新聞、日経MJ、時事通信、BUSINESS INSIDER JAPAN NEWSポストセブンなど執筆・寄稿記事多数。大学や地方自治体、男女共同参画センターなどでの講演、パネルディスカッションのモデレーターも務める
「家計のゆとり」に関するアンケート調査概要
調査手法:インターネットリサーチ(無記名式)
有効回答者数:363名 ※お子さんがいる女性のみ
調査実施日:2024年7月25日(木)~2024年8月1日(木)まで
調査対象者:ビースタイル スマートキャリア登録者/求人サイト『しゅふJOB』登録者
※当リリースに関して、研究顧問 川上へのインタビューのご要望があれば広報までご連絡ください
まとめ
今回、しゅふJOB総研が実施した「家計のゆとり」関するアンケート結果を以下にまとめました。
- 家計にゆとりが「ある」27.5%、「ない」65.9%
- 家計の支出で負担に感じているもの「食費(米・野菜など)」62.0%
- 負担さえ考えなければ“もっと購入・利用”したいもの「旅行」62.3%
今回の調査は、就労志向でお子さんがいる女性へのアンケート調査でした。
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