セコム株式会社が、9月1日の「防災の日」に合わせて、全国の20歳から69歳の男女500人を対象に「防災に関する意識調査」を実施しました。
この調査では、将来の災害増加に対する不安や、災害用簡易トイレの準備状況などの防災対策について分析されており、セコムIS研究所の研究員・濱田宏彰によるコメントも掲載されています。
「防災に関する意識調査」に関するアンケート調査結果
日本において災害の増加や被害が拡大する可能性があると思いますか?また、防災対策を実施していますか?
災害の増加や被害が拡大する可能性
防災対策の実施有無
【図3】具体的に実施している防災対策(複数回答)(n=215)
防災対策を行っている人々に具体的な対策を尋ねたところ、最も多かった回答は以下の通りです。
1位は「一定量の食料・生活用品を日常的に備蓄する(ローリングストック)」(53.0%)、2位は「防災リュック(非常持ち出し袋)の準備」(48.4%)、3位は「除菌ウェットティッシュやマスクなどの感染症対策グッズの用意」(42.8%)でした【図3】。
2024年1月に発生した能登半島地震では、断水や停電によってトイレの確保が大きな課題となりましたが、災害用簡易トイレを準備していると回答した人は39.1%にとどまり、6割の人が準備をしていないことが明らかになりました。
先日、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発令されたことにより、アンケートの時よりも地震に対する備えを準備した方は増えたかもしれませんね。ただ、一部の商品は品切れになっていたり、すぐに買うことの出来ない状況も発生していたようですので、日頃から早めに準備しておいた方が安心かもしれません。
災害用簡易トイレを準備している人に課題や不安
【図4】災害用簡易トイレを準備するうえでの課題や不安(n=84)
【図5】災害用簡易トイレを準備している数(n=84)
【図6】災害用簡易トイレを準備しない理由(複数回答)(n=131)
災害用簡易トイレを準備している人に課題や不安を尋ねたところ、最も多かった回答は「準備している数で足りるか」(63.1%)でした【図4】。
実際に準備している数については、「1~3日分」(45.2%)が最も多く見られました【図5】。一方、防災対策を行っているにもかかわらず災害用簡易トイレを準備していない人に理由を尋ねると、「どれくらいの数を準備すれば良いかわからないから」(37.4%)が最も多く、必要な数を見極めることが対策の第一歩であると考えられます【図6】。
災害用簡易トイレへの認識、また使用経験は?
【図7】2024年1月1日の能登半島地震とその報道を受けた災害用簡易トイレへの意識変化
【図8】災害用簡易トイレの使用経験
2024年1月1日に発生した能登半島地震とその報道を受けて、災害用簡易トイレに対する意識の変化について全体に尋ねた結果、54.0%の人が「重要だという意識が強くなった」と回答しました(「重要だという意識が強くなった」(15.6%)と「重要だという意識がやや強くなった」(38.4%)の合計)【図7】。
災害用簡易トイレの重要性を感じている人が5割以上いる一方で、実際に災害用簡易トイレを使用したことがない人は全体の91.8%に達しました【図8】。
災害時、初めて災害用簡易トイレを使うことになる方が多そうですね。いざというときにスムーズに使用できるよう、あらかじめトイレの使用方法を確認し、実際に使ってみることをおすすめします。
セコムIS研究所の研究員・濱田宏彰氏が対策を紹介
災害の増加や被害拡大を懸念する人が93.2%に上るなか防災対策をしていない人は57.0%となり、不安解消のために行動できていない人が多数いることが明らかになりました。これは、「自分は大丈夫だろう」という心理状態になる「正常性バイアス」、「ほかの皆もやっていないから大丈夫だろう」という「同調性バイアス」の2つの心理が働いているものと考えられます。災害への備えは、いかに“自分ごと化”できるかが重要です。例えば、自宅周辺のハザードマップを確認する、地域の防災訓練に参加するなどできることから行動していきましょう。
防災対策をしている人のなかでは、ローリングストック(53.0%)や防災リュック(48.4%)の準備が上位になった一方、家具や家電の転倒防止対策はわずか27.4%という結果になりました。災害が発生した時は身の安全を確保することが最優先。転倒防止グッズは量販店やインターネットで手軽に購入できますので、ぜひ対策していただきたいと思います。
今回詳しく調査した災害用簡易トイレの準備は、防災対策している人でも実施率は39.1%に留まっています。被災時は仮設トイレが届くまでに数日かかるほか、道路が寸断されていればもっと時間を要する可能性もあります。さらに、トイレを我慢すると健康にも悪影響を及ぼすため、防災グッズの1つとして災害用簡易トイレを自分で準備することが重要です。
災害用簡易トイレを用意している人の課題・不安は「準備している数で足りるか」(63.1%)、防災対策をしているものの災害用簡易トイレを準備していない人の理由では「どれくらいの数を準備すればいいか分からないから」(37.4%)がそれぞれ最も多く、ともに“準備する数”への不安や不明確さがネックになっていると判明しました。災害用簡易トイレの準備を始めるには、まずは自分が1日に何回程度トイレに行くかカウントすること。そのうえで、国が推奨する7日分は準備しておくことをおすすめします。
「防災に関する意識調査」に関するアンケート調査概要
■実施時期
2024年7月12日(金)~7月16日(火)
■調査手法
インターネット調査
■調査対象
全国の20歳以上、70歳未満の男女500人
■調査機関
セコム株式会社調べ【実務委託先:楽天インサイト(2024年7月)】
★構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
※本アンケートの出典元(セコム株式会社》https://www.secom.co.jp/corporate/release/2024/nr_20240821.html)調べ
セコムでは、災害に備えるサービスもあります
もしもの時の備蓄アイテムを取り揃えた「セコム・スーパーレスキュー」
防災意識の高いお客様のニーズにお応えするために、実際に過去の大地震で被災したセコム社員の声を検証し、「いざというとき本当に役に立つか」という視点で厳選した、まさに防災用品セットの“決定版”です。
▼サービス名称
「セコム・スーパーレスキュー」
▼料金
- スタンダード:22,000円(税込 24,200円)
- プラス:32,000円(税込 35,200円)
▼サービス詳細
「セコム防犯・防災ブログ」
防犯や防災など、家庭の安全に役立つ情報を提供するサイトです。セコムIS研究所でリスクマネジメントに関する研究を行っている研究員・濱田がモデレーターを務めています。
コメント